「テントの設営・撤収、正直もう疲れた…」。5年、10年とキャンプを続けてくると、そんな気持ちになりますよね。キャンピングトレーラーがあれば、設営ゼロで快適なキャンプ。そんな夢のような話、本当に実現できるのでしょうか。

結論から言うと、キャンピングトレーラーは「向いている人」には最高の選択肢です。ただし、全員に向いているわけではありません。

この記事では、テントキャンプ10年→トレーラー4年の筆者が、「おすすめモデル〇選」ではなく、「買う前に知るべきこと」を体系的に解説します。費用の全体像、維持費、運転の難易度、そして後悔しないための判断基準。

読み終える頃には、「自分に向いているかどうか」「いくらかかるか」「何に注意すべきか」がすべてわかり、購入判断の材料が揃っているはずです。

この記事を書いた人

田中 雅彦(たなか まさひこ)
ファミリーキャンパー / キャンピングトレーラー歴4年
千葉県在住、中学生と小学生の2児を持つ4人家族。10年間のテントキャンプ経験の後、4年前にトレーラーを購入。購入前に徹底的に調べ、レンタルで試してから購入を決断。年間15回以上のトレーラーキャンプを実践中。

スポンサーリンク

キャンピングトレーラーとは?キャンピングカーとの違い

キャンピングトレーラー購入を検討するとき、多くの人が最初に悩むのが「キャンピングカーとどっちがいいの?」という問題です。まずは両者の違いを整理しましょう。

キャンピングトレーラーの基本|「クルマで引っ張る家」という発想

キャンピングトレーラーとは、自走できない居住スペースを車で牽引するタイプのキャンプ用車両です。エンジンがないため、単体では動けません。

この「エンジンがない」という特徴が、キャンピングカーとの大きな違いを生み出しています。

  • 車を選ばない — 牽引能力があれば今の車をそのまま使える
  • 普段使いの車を手放さなくていい — 通勤や買い物は今まで通り
  • キャンプ場に置いて身軽に移動できる — トレーラーを切り離して観光に行ける

「移動する家」というより、「車で運べる家」というイメージが近いかもしれません。

キャンピングカーとの5つの違い|価格・維持費・普段使い・居住性・運転

比較項目キャンピングトレーラーキャンピングカー
価格(新車)170〜500万円400〜1,000万円以上
年間維持費約3〜15万円約30〜50万円
普段使いの車そのまま使える専用車が必要になることも
居住空間同価格帯なら広いコンパクトになりがち
運転牽引の練習が必要普通に運転できる

正直に言います。私も最初はキャンピングカーと迷いました。でも「普段使いのミニバンを手放したくない」「同じ予算なら広い空間がほしい」という2点でトレーラーを選びました。今では、キャンプ場にトレーラーを置いて、身軽に観光に行けるのが最高に気に入っています。

どちらが「優れている」ではなく、「自分に合っている」かで選ぶことが大切です。

キャンピングトレーラーが向いている人・向いていない人【自己診断チェックリスト】

キャンピングトレーラーは素晴らしい選択肢ですが、全員に向いているわけではありません。購入前に、自分に合っているかどうかを客観的に判断しましょう。

向いている人の特徴5つ

  1. 設営・撤収の負担を減らしたい
  2. 普段使いの車を手放したくない
  3. 滞在型キャンプ(連泊)が多い
  4. 自宅に駐車スペースが2台分ある
  5. キャンプ場やRVパークを主に利用

向いていない人の特徴5つ

  1. 移動を楽しむ旅が多い(機動性重視)
  2. 駐車スペースの確保が難しい
  3. 狭い道や山道をよく通る
  4. 毎回違う場所に行きたい
  5. キャンプ頻度が年に数回程度

【自己診断チェックリスト】

  • テント設営・撤収の負担を減らしたい
  • 普段使いの車を手放したくない
  • 連泊キャンプが多い
  • 自宅に駐車スペースが2台分ある
  • キャンプ場やRVパークを主に利用する
  • 年間5回以上キャンプに行く
  • 牽引運転の練習をする気持ちがある
  • 高速料金が上がっても問題ない
  • 家族の同意が得られている
  • 購入前にレンタルで試してみる予定

判定の目安

  • 7つ以上「はい」 → トレーラーはあなたに向いています
  • 4〜6つ「はい」 → レンタルで試してから検討しましょう
  • 3つ以下「はい」 → キャンピングカーか、テントキャンプの継続がおすすめ

費用の全体像|初期費用+維持費の年間コストシミュレーション

「結局、いくらかかるの?」これがキャンピングトレーラー購入で最も気になるポイントでしょう。ここでは初期費用だけでなく、維持費も含めた「総所有コスト」を明らかにします。

初期費用の内訳|車両本体+ヒッチメンバー+諸費用

項目金額目安備考
新車(小型〜中型)170〜500万円就寝4人〜6人、設備による
中古車100〜200万円状態・年式による
ヒッチメンバー取り付け10〜20万円牽引車への取り付け必須
登録諸費用5〜10万円ナンバー取得、車庫証明など

見落としがちな費用:ヒッチメンバー

トレーラーを牽引するには、牽引車(今の車)に「ヒッチメンバー」という連結器具を取り付ける必要があります。この費用を忘れる方が多いので、予算に必ず入れておきましょう。

年間維持費の内訳|車検・税金・保険・駐車場

項目金額目安(年間)備考
車検(2年ごとを年割り)約3〜3.5万円初回3年、以降2年ごと
重量税(1t以下)約8,200円重量による
自賠責保険約5,140円2年契約の年割り
任意保険約1〜2万円車両保険は別途
駐車場代0〜8.4万円自宅保管なら0円
合計約3〜15万円/年駐車場代で大きく変動

5年間の総所有コストシミュレーション

新車250万円のトレーラーを購入した場合の、5年間の総コストを計算してみましょう。

ケース1:自宅保管の場合

  • 車両本体:250万円
  • ヒッチメンバー:15万円
  • 登録諸費用:8万円
  • 車検(5年分):約15万円
  • 税金・保険(5年分):約10万円
  • 駐車場代(5年分):0円

5年間総コスト:約298万円

ケース2:月極駐車場利用の場合

  • 車両本体:250万円
  • ヒッチメンバー:15万円
  • 登録諸費用:8万円
  • 車検(5年分):約15万円
  • 税金・保険(5年分):約10万円
  • 駐車場代(5年分):42万円

5年間総コスト:約340万円

5年間で見ると、1回あたりのキャンプコストを計算できます。年間10回×5年=50回キャンプに行くなら、1回あたり約6〜7万円。テント泊やホテル泊と比較して、「元が取れるか」を判断材料にしましょう。

免許と法規制|普通免許で牽引できる条件を正しく理解する

「普通免許で本当に牽引できるの?」これは購入検討者が最も多く持つ疑問です。結論から言うと、条件を満たせば普通免許で牽引可能です。

普通免許で牽引できる「750kgの壁」とは

道路交通法では、車両総重量750kg以下のトレーラーは、普通免許で牽引できると定められています。

750kg以下でも十分実用的なモデルがある

「750kg以下」と聞くと小さそうに感じますが、実際には以下のようなモデルが存在します。

  • 就寝人数:4人
  • 装備:キッチン(ギャレー)、冷蔵庫、テーブル、ベッド
  • 一部モデルはトイレ付き

750kgを超える場合の選択肢

免許の種類対象取得費用(目安)取得日数
牽引小型トレーラー限定免許750kg超〜2t未満約10〜12万円4〜6日
牽引免許(第一種)2t超約12〜15万円6〜10日

初めてのトレーラーなら、まず750kg以下のモデルから始めることをおすすめします。私も最初は「大きい方がいい」と思っていましたが、実際に使ってみると、小型の方が取り回しが楽で、キャンプ場の選択肢も広がります。

その他の法規制|車庫証明・サイズ制限

車庫証明

  • 必要(自宅から2km以内に保管場所を確保)
  • 軽自動車登録のトレーラーは一部地域で不要

サイズ制限

  • 全長:12m以下(牽引車+トレーラーの合計)
  • 全幅:2.5m以下
  • 全高:3.8m以下

選び方のポイント|サイズ・設備・メーカーの判断基準

「どれを選べばいいかわからない」という方のために、選び方の判断基準を整理します。

サイズ選び|就寝人数+1〜2人の余裕がおすすめ

家族構成おすすめ就寝人数全長目安
2人(夫婦のみ)3〜4人4〜5m
4人(小さい子供あり)4〜5人5〜6m
4人(子供が大きい)5〜6人5.5〜7m

設備の選び方|本当に必要なものを見極める

設備の必須度

必須度の高い設備

  • ベッド — 当然必要。寝心地は実際に試してから判断
  • 照明・電源 — LEDライト、コンセント
  • 換気設備 — 窓、換気扇

あると便利な設備

  • ギャレー(キッチン)— 簡単な調理ができる
  • 冷蔵庫 — 夏場は重宝する
  • FFヒーター — 冬キャンプするなら必須

なくてもいい設備

  • トイレ・シャワー — キャンプ場の設備を使うなら不要
  • エアコン — あれば快適だが、電源確保が課題

私のトレーラーにはトイレがありますが、正直ほとんど使っていません。キャンプ場のトイレの方が清潔だし、処理の手間もない。今なら「トイレなしモデルでもよかった」と思います。

新車vs中古|初心者にはどちらがおすすめ?

比較項目新車中古
価格高い(170〜500万円)安い(100〜200万円)
保証メーカー保証あり限定的または無し
状態完璧要確認(水漏れ等)
カスタマイズ好みの装備を選べる既存の装備

後悔しないための6つの注意点|購入者のリアルな声

キャンピングトレーラーを購入して後悔した人の声を集め、6つのパターンに整理しました。事前に知っておけば、同じ失敗を避けられます。

後悔①「思ったより使わなかった」

原因:牽引が面倒で、出かける頻度が減ってしまった

「最初は毎月使うつもりだったけど、連結・切り離しが意外と面倒。気がつけば年に3回くらいしか使っていない…」

対策:

  • 購入前にレンタルで「牽引の手間」を体験しておく
  • 年間の使用回数を現実的に見積もる
  • 年5回以下なら、レンタルの方がコスパが良い可能性

後悔②「駐車場代が想定外にかかった」

原因:自宅に置けると思っていたが、実際には無理だった

「敷地内に置けると思っていたけど、出し入れが大変すぎて結局月極を借りることに。月8,000円、年間約10万円の出費は痛い…」

対策:

  • 購入前に実際のサイズで保管場所をシミュレーション
  • 道路への出し入れができるか確認
  • 月極を借りる場合は、その費用を年間コストに含めて判断

後悔③「運転が怖くて遠出できない」

原因:牽引スキルの習得不足のまま購入してしまった

「買ってみたものの、バック駐車が全然できない。高速道路も怖くて、結局近場にしか行けていない…」

対策:

  • 購入前に牽引の講習を受ける
  • レンタルで実際に運転してみる
  • 最初は近場で練習し、徐々に距離を伸ばす

後悔④「高速料金・フェリー代が高い」

原因:中型車扱いになること、フェリーでは2台分かかることを知らなかった

対策:

  • 長距離移動の頻度と費用を事前に計算
  • 高速料金は普通車の約1.2〜1.3倍になることを想定
  • フェリーは車両2台分の料金がかかることを把握

後悔⑤「サイズを間違えた」

原因:大きすぎて取り回しが大変 / 小さすぎて家族が快適でない

対策:

  • 家族構成・使い方に合ったサイズを選ぶ
  • 購入前にレンタルで実際のサイズ感を体験する
  • 「大は小を兼ねる」は牽引車両には当てはまらない

後悔⑥「設備が不要だった」

原因:フル装備を選んだが、実際には使わない設備が多かった

「トイレとシャワー付きを選んだけど、1年間で1回も使っていない。その分、価格が高くなったのに…」

対策:

  • 本当に必要な設備を見極める
  • キャンプ場の設備を使えば不要なものを確認
  • 「あったら便利かも」は大抵「使わない」

購入前にやるべき3つのこと

後悔しないために、購入前にぜひ実践してほしいことが3つあります。

1. レンタルで実際に使ってみる

最も重要なステップです。実際に牽引運転し、キャンプで1泊2日過ごしてみてください。

確認すべきポイント

  • 牽引運転の感覚(連結、バック駐車、高速道路)
  • 寝心地、居住空間の広さ
  • 設備の使い勝手(キッチン、トイレなど)
  • 連結・切り離しの手間

1泊2日で1〜3万円程度が相場です。200〜300万円の買い物をする前の「試用」と考えれば、決して高くありません。

2. 販売店に相談する

ネットで調べるだけでなく、実際に販売店を訪れて実車を見ることをおすすめします。

聞くべき質問リスト

自分の車で牽引できるか

ヒッチメンバーの取り付け費用

車検・整備のサポート体制

中古購入の場合の注意点

納車までの期間

3. 保管場所を確保する

購入前に、必ず保管場所を確保してください。

自宅に置く場合の確認事項

  • 敷地内に入るか(長さ・幅)
  • 出し入れができるか(道路の幅、角度)
  • 近隣への影響はないか

私は購入前に3か月かけて保管場所を探しました。最初は「自宅に置ける」と思っていましたが、出し入れのシミュレーションをしたら無理だと判明。結局、近所に見つけた月極駐車場(月6,000円)を契約してから購入しました。焦らず、保管場所を確保してからの購入をおすすめします。

よくある質問(FAQ)

牽引車はどんな車でもいい?

牽引能力のある車が必要です。車の「最大牽引重量」を確認してください。一般的なSUVやミニバン(ランドクルーザー、プラド、デリカD:5、エクストレイルなど)であれば、750kg以下のトレーラーは問題なく牽引できます。

高速道路の料金はどれくらい高くなる?

普通車の約1.2〜1.3倍です。牽引状態の車両は「中型車」として課金されることが多いです。例えば、東京〜名古屋間の場合、普通車で約7,000円が、約9,000円前後になります。

走行中にトレーラー内で過ごせる?

いいえ、法律で禁止されています。道路交通法により、走行中は誰もトレーラー内にいてはいけません。あくまで「停車中の居住空間」として使用します。

冬キャンプでも使える?

FFヒーターがあれば快適です。FFヒーター(燃焼式ヒーター)が装備されていれば、外気温が氷点下でも室内は20度以上に保てます。電源不要で長時間稼働するため、冬キャンプの強い味方です。

災害時の避難場所として使える?

活用できます。実際に、災害時の一時避難場所としてキャンピングトレーラーを活用した事例があります。電気・ガス・水道が止まっても、トレーラー内で数日間生活できる設備があれば、防災用品としての価値もあります。

中古を買うときの注意点は?

雨漏りの跡、床の状態、タイヤ・ブレーキ、電装系の動作確認を重点的にチェックしてください。できれば専門店で購入し、購入前に整備士に状態をチェックしてもらうことをおすすめします。

まとめ:後悔しないキャンピングトレーラー選び

  1. キャンピングトレーラーは「向いている人」には最高の選択肢 — ただし全員向けではない。自己診断チェックリストで確認を
  2. 費用は初期費用+維持費で考える — 新車170〜500万円、年間維持費は3〜15万円。5年間の総所有コストで判断
  3. 普通免許で牽引できるモデルは十分実用的 — 750kg以下でも就寝4人、キッチン付きモデルは普通に存在
  4. 後悔パターンを知り、事前に対策する — 「使わなかった」「駐車場代」「運転が怖い」の3つが特に多い
  5. 購入前に「レンタルで試す」「保管場所を確保する」 — この2つを必ず実行すれば、後悔のリスクは大幅に減る

まずはレンタルで体験してみませんか?

この記事を読んだあなたは、キャンピングトレーラーについて「漠然とした憧れ」から「具体的な判断材料」を持った状態になっています。

自分に向いているか、いくらかかるか、何に注意すべきか。それがわかれば、あとは行動するだけ。

テントの設営・撤収から解放され、雨の日でも快適。子供たちが大きくなっても、家族で過ごす特別な時間を作れる。そんなキャンプスタイルが、あなたを待っているかもしれません。